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「オペラ座の怪人」に惑う『~M・ジリーの若さの秘密~閑話休題その2』

あまりにも魅力的なジェラルド・ファントムが
もしもふられなかったらどうなっていたか。
歴史にもしもはないと申しますが、ご想像された方も多いかと思います。

燃える橋の上で仮面を引き剥がされることなく、
恍惚としたままのクリスティーヌを奪い去る、
これこそ「勝利のファントム」の本来の筋書きかと。
「風と共に去りぬ」のレッド・バトラーを彷彿とさせる、
ジェラルド・バトラー・ファントム。

ところが二人がめでたく一緒になるとすると、その後クリスティーヌは
表舞台に立つことはできなくなる。
歌う彼女が世に讃美されること、ひいては自分の教えの正しさが
証明されることがこよない喜びのファントムにとって
これは最大のジレンマ。
やはり、ファントムは、あの時点では振られてしまう運命なのかも。

今週は古都まで足を伸ばし、12回目を観に行って参りました。
憂いを帯びた横顔と、
クリスティーヌの腰のあたりへの大きな手の滑らせ方と、
燃える橋の上でのオーラと。
この三点は毎回見逃せません。

原作では、ファントムはクリスティーヌと別れたあと
亡くなることになっているようですが
映画のラストシーンで指輪が赤い薔薇と共に、
彼女の墓に供えられていたところをみると、
ファントムはそれまで生きていたのかもしれません。

またはファントムとただならぬ関係だったと思われるマダム・ジリーが
再びかくまい続け、彼の遺言を守る形で墓を訪れたとも。

少なくとも、オペラ座の地下から出たあと、きっと長い間
クリスティーヌを見守っていたことでしょう。
いえ、それどころか、ラウルに内緒で、もしくは半公然と、
二人が逢い続けていた可能性だって否定できません。

かの地はなんといっても、恋の最先端・フランス。
しかも退廃的な19世紀の貴族社会。
夫以外に妻が思い人を持つことなど、珍しいことではなかったはず。

そしてファントムをかくまっていた、もしくは居場所を知っていたマダム・ジリーが
彼と愛人関係をキープしていたことも想像に難くない。
そうでなければ、ラウルより15は年上と思われる彼女の若さが解せません。
オークション会場にいたマダム・ジリーはすでに80歳前後だったはず。
あの若さは女として恋を生きることを捨てていない証拠といえるでしょう。
メグ・ジリーの父親が誰か、とまではまだ言及できませんけれど。

ファントムの官能を最初に引き出したのは誰なのか。
映画版・オペラ座の怪人は三角関係というよりも、マダム・ジリーを加えた
四角関係ととらえるのも、一興かと存じます。

戯れ言、どうぞご容赦くださいませ。


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